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不眠症の方に。
Reviewed by EPOCALC

ニューエイジという思想がある。
これから「新しい時代」がくるからそれに備えよ!という幾分か、いや大分うさん臭い代物だが、それに伴い自然賛美を伴った環境音楽(所謂「癒し系」)が世間に広まるようになる。
それが「ニューエイジ・ミュージック」そして「ヒーリング・ミュージック」である。
その出自的に通俗的と忌避され最近まで黙殺されていたのだが、Vaporwaveに端を発する80年代リヴァイバルのなかでモンドミュージックなども含めて再評価が進みつつある。

そのなかでも日本、そして世界でもトップクラスの名盤とされるのが今作吉村弘のGreen。

吉村弘は、喜多朗や宮下富実夫、芦川聡、広瀬豊(彼らもまた再評価中である)などとともに日本の環境音楽の祖と言われる人物。そしてその中で現在最も評価される人物でもある。
彼はかのタージマハル旅行団にも一時いたようだが、その後サウンドデザイナーとして活躍。
そして生み出されたのがGreen。

森の中にたたずむ一件の砂糖菓子のようなモダニズム建築。その真っ白い部屋に観葉植物やバウハウスの椅子が整然と置かれている。

そんな様子が目に浮かぶ、ミニマムなアンビエントが立ち並ぶ。無駄な音が一切なく、アンビエントとしての完成度が異様に高い。
そして透き通るようなころころした音像。もう絶品である。

これをFMシンセで作ったというから驚きである。もっと複雑怪奇なマシンを使っているように感じてしまう。
丁度レイハラカミがスーパーのBGMで使うハチプロで曲を作っている、と知ったのと同じくらいの衝撃である。
音楽性もどこか似ているため、「80年代のレイハラカミ」と評しても良いかもしれない。

ところで、偉そうにこんな記事を書いているが実は僕はこのアルバムの全容を知らない。
なぜならこのアルバムを聴いていると必ず途中で寝てしまうからだ。
実際吉村弘自身やミキサー担当の人も作業中に寝てしまったらしい。
それほど心地よいアルバムである。まごうことなき日本の名盤の一つ。




   
   



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