Score: 10/10

Lost Japanese Mood...
Reviewed by EPOCALC

先日、MeditationsのオンラインサイトでピックアップされていたLPがあった。
一目見た瞬間、その美しい装丁にLOVEずっきゅんした僕は買おうと思ったが
生憎の金欠で買えず。お金がが入ったころには売り切れていた。ぴえん。

そのLPとは冥丁の2nd「小町」。
冥丁の表立った活動歴はまだ二年目なのだが
一作目の「怪談」がピッチフォークのベスト・エクスペリメンタル・アルバムにノミネートされ
以来海外のコアな音楽好きを中心に支持を集めてきた。
最近も逆輸入される形で日本でもプッシュされ始めた様子。その為すぐに売れてしまったらしい。
近々3rdがくるよ、とのことだったのでそれを絶対に手に入れよう!と誓った。

そしてその3rdこそ「古風」である。

完全に予想の斜め上。サブスクで一聴してヤバいアルバム来たぁ!!!と思ったほどの快作。
今までの冥丁の作品は、ブライアン・イーノ的なアンビエントで和を表現する作風であったのだが
今作で聴けるのはLo-fi Hip Hopで聴かれるようなレコードのようなノイズの乗ったピアノと一緒に繰り広げられる
まだ録音技術が入ったばかり位の日本の音楽のサンプリング。
そしてそのサンプリングが日本語であることは分かるのだが、ほぼ意味が分からなくなるまで変調しており
なんだか平行世界の日本の音楽という趣である。
日本人が戦前に置いてきてしまった音楽の心意気、それでいて当時の世相を風刺するようなサンプリングの手腕は
他のどんな優秀な音楽家にも到底真似できない領域まで到達してしまっている。

これほどの衝撃は折坂悠太「平成」以来。
折坂氏も「平成」までは知る人ぞ知る、と言った感じで
普通に三鷹の小さなカフェ付きライブハウスで演奏していたらしい。(ちなみに演奏仲間に再評価著しい浅井直樹氏がいたらしい。すげえ。)
冥丁もトラックメイカーでありつつも既存の人脈から全くかけ離れた人物であり
「平成」のように、予想外の方向からやってきた日本のアンセムになりそうな一枚である。全日本人必聴。


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