ジェイ・リータードはメンフィス出身のガレージパンクミュージシャンだ。2010年1月13日、オーバードーズで若くして亡くなった。
ソロプロジェクトに移るまえに組んでいたパンクバンド、リーターズでロックンロールの有名曲を数多くカバーしていたことからも分かるが、50sや60sのロックンロールに影響を受けているのだろう。
アップテンポで2、3分しかない曲、キンクスみたいにスピーカーがビビってるような感じの歪み、ロカビリーのようなハリのあるバッキングサウンド、60sのガレージバンドのようなラフなスネア。要素は古い物だが曲は全く古臭い感じがせず、革新的なサウンドになっている。コード進行もシンプルだが、異なるコードの音をぶつけたり、マイナーに転調したりと粋なアイデアが数多く散りばめられている。天才としかいいようがない。真のロックスターだ。
このアルバムを聴くと、曲がいいのはもちろんだが、こんな音楽をやるバンドを組めたら楽しいだろうなという思いがこみ上げてくる。最も好きなアルバムの一つだ。