Score: 8/10

真の邦楽
Reviewed by take

日本のインディーロックバンドを漁って、おれ邦楽マスターだぜ、とかいうのはまだ甘い!真の邦楽は市丸である。市丸は1930年代、小唄勝太郎(女)と人気を二分した邦楽アーティストだ。芸者出身の歌手で、酒場叩き上げのリアルなシンガーである。

一曲目の「天龍下れば」は市丸のマスターピースであり、喜納昌吉の「ハイサイおじさん」と同じように新民謡に分類される曲である。その後に続く「木曽節」、「伊那節」などと比べると、西洋の楽器をふんだんに取り入れており、気合を感じる。ドドン・ドン、といった感じビート一本で作り上げられているこの曲のノリは、逆に新鮮に聞こえる。

前半が戦前の曲で後半(14曲目以降?)が戦後の曲になっていると思う。後ろの方に入っている戦後の曲では欧米化され、日本的なノリがアハ体験のように薄れていくのがわかって面白い。「三味線ブギウギ」などでは流行するジャズ的な音楽に日本民謡的な歌い方を合わせて行こうとしてしているのがよくわかる。

昔、今は亡き祖父が蓄音機を回して木曽節を聞かせてくれたことがあったのだが、彼女のものだろうか。機会があったら探して確認してみたい。サブスクで簡単に戦前の音楽にアクセスできる、いい時代になったと思う。




   
   



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