Score: 10/10

みんな大好きサージェント!
Reviewed by take

有名誌のオールタイムベストなどでは一位常連のサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド。ペパーさんのバンドという架空のアーティストのライブ、というコンセプトアルバムになっており、60s ポップアートの象徴ともなっている。

それまで少しずつ片鱗を見せていた、スタジオで作り込むミュージシャンとしてのビートルズが、架空のバンドになりきることで一気にその性質を爆発させたアルバムになっている。それまでの世間のスタジオ録音はエルビス・プレスリーがそうであったように、あくまで「ライブっぽさ」や「生っぽさ」を求めるものであったと思うが、このアルバムがそうでないロックの新たな形をはっきりと提示したといえる。(もちろんこのアルバムだけではないだろうが)

改めてアルバムの曲目を眺めてみると、その名声に比べて有名曲が少なく、ビートルズにしてはそれほど聞きやすいアルバムではないようにも思える。青盤に収録された曲も、Sgt、With A Little Help From My Friend、Lucy In The Sky With A Diamonds、そしてA Day In The Lifeの4曲だけだ。有名サイケ曲としての破壊力だけなら次のアルバム、マジカルミステリーツアーに軍配が上がると思うが、やはりサージェントを「オールタイムベスト」に挙げる人が多いというのは、先にリリースされたアルバムであり多くの衝撃を与えたという点、コンセプトアルバムという斬新な発想であるという点、マジカルミステリーツアーはあくまでサントラである点、などだろうか。「ペットサウンズ」を間接的に生み出したアルバムであるということも大きいかもしれない。

このアルバムは数年前に50周年記念としてリマスター版が出た。このリマスター版ではベースやドラムが強調されており、ビートルズが「ビート」ルズの名に恥じないビートを生み出すバンドであることを再確認させられる。多くのデモトラックも収録されているのだが、それらとリリースされたバージョンを聴き比べると、リンゴのドラムとポールのライン録りベースが生み出すビート、そしてエンジニアによるその独特なマスタリングこそが、この時期のビートルズの曲が、星の数ほど存在したガレージバンドたちの曲と一線を画す要因であるということを感じられるのではないだろうか。ビートルズは黒人ミュージシャンにも愛され、多くカバーされているが、やはりこの点が大きいのではないだろうか。(黒人ミュージシャンによるビートルズカバーについては、Blues & Soul Records誌の特集が良かったので、おすすめである)
https://www.fujisan.co.jp/product/1281681020/b/1426805/




   
   



このアルバムを聴く


Spotify

コメント欄